GUIDE · タイ

【2026年版】タイの美容・ファッション事情|なぜ白い肌が好まれる?美容クリニック・韓国トレンド・若者のおしゃれを解説

更新日:2026年10月9日

【2026年版】タイの美容・ファッション事情|なぜ白い肌が好まれる?美容クリニック・韓国トレンド・若者のおしゃれを解説

タイの美容を理解するなら、まず「白い肌」がなぜ重視されるのかを知る

タイの美容について日本人が最初に驚くことの一つが、「肌を白く、明るく見せたい」という意識の強さです。

日焼け止めだけではありません。

化粧品売り場では肌の明るさや透明感を訴求する商品が並び、美容クリニックでも肌のトーン、シミ、色むらを整える施術が目立ちます。

写真加工でも肌を明るく見せることがあります。

ただし、これは単純に「欧米人のようになりたいから」と説明できる文化ではありません。

タイで明るい肌が高く評価されてきた背景は、もっと古く、社会階層や生活様式とも関係しています。

なぜタイでは白い肌が美しいとされてきたのか

タイ社会を扱った複数の研究では、明るい肌が歴史的に高い社会的地位と結び付けられてきたことが指摘されています。

かつて屋外で農作業や肉体労働をする人は強い日差しを浴び、肌が濃くなりやすい。

一方、屋内で生活できる王族、上流階級、都市部の裕福な人々は日差しを浴びる時間が少ない。

そのため、

「日焼けしていない肌=屋外労働をしなくても生活できる」

というイメージが、身分や豊かさと結び付いていきました。

タイの古い文学や上流階級の美意識にも、滑らかで明るい肌を美しいとする表現が確認されています。

タイの「白い肌が美しい」という価値観は、現代の韓国ブームよりはるか以前から存在し、肌の色が社会階層や生活環境を連想させてきた歴史があります。

その後、近代化の中で欧米のファッションや広告が入り、さらに日本、韓国、中国など東アジアのメディアや芸能文化の影響も重なりました。

現在のタイで見られる美意識は、一つの国から輸入されたものではありません。

美意識を作った背景現代の美容への影響
歴史的な階級・生活環境明るく均一な肌を好む価値観
強い日差しと熱帯気候日焼け止め、日傘、長袖、シミ対策
欧米の広告・ファッション国際的な美容・ブランド文化
韓国・日本など東アジアK-Beauty、韓国風メイク、髪型、スキンケア
SNS・インフルエンサートレンド発見、レビュー、肌補正、自己表現
タイ独自の美容産業T-Beauty、美容クリニック、ローカルブランド

「白ければいい」から「明るく健康的な肌」へ

ここは2026年のタイ美容を見るうえで非常に重要です。

明るい肌を好む価値観は現在も強く残っています。

しかし、美容の言葉は少しずつ変わっています。

以前の「ホワイトニング」のように肌そのものを白くすることを強く打ち出す考え方から、

・透明感
・均一な肌色
・ツヤ
・シミや色むらの少なさ
・健康的な肌
・肌バリア
・自然な明るさ

を重視する方向へ広がっています。

2025年に発表されたタイ女性の肌に関する研究でも、自分の肌色そのものに関係なく「肌が輝いて見えること」が重要な美容価値として認識されていることが示されています。

Kantarのタイ美容市場分析でも、近年の消費者が「Skin Health=肌そのものの健康」を重視していることが指摘されています。

「色白信仰がなくなった」のではなく、「白いほど良い」だけではなく、明るく、均一で、ツヤがあり、健康的に見える肌へ理想が広がっているのが現在のタイです。

一方で、肌の色によって人の価値を判断するカラーリズムは現在も社会的な問題として議論されています。

タイ人全員が色白を好むわけでもありません。

自分の自然な肌色を肯定する若者や、多様な肌色をモデルに起用するブランドも増えています。

「タイ人は白い肌が好き」と一括りにするのではなく、「長く続いてきた強い美意識があり、それが現在変化の途中にある」と理解するのが適切でしょう。

【日焼け対策】美白文化と熱帯の気候が重なる

この美意識を知ると、タイの日焼け対策の強さも理解しやすくなります。

タイでは年間を通して日差しが強く、日焼け止めは夏だけ使うものではありません。

Mintelはタイの消費者の87%がサンケア製品を毎日使用すると報告しています。

街では、

・日傘
・帽子
・サングラス
・長袖
・UVカット用の上着
・車内の日よけ

などを見ることがあります。

日差しが強い昼間、バイクに乗る人が肌をほとんど隠している光景も珍しくありません。

もちろん目的は「肌を白く保つ」ことだけではありません。

・シミを防ぐ
・肌の老化を防ぐ
・紫外線によるダメージを抑える
・肌色を均一に保つ

というスキンケア意識もあります。

現在の日焼け止めでは、高いSPFだけでなく、

・軽い
・ベタつきにくい
・汗に強い
・白浮きしにくい
・メイクと合わせやすい
・肌を自然に明るく見せる

といった特徴が重要になります。

タイの日焼け対策は「暑い国だから」という実用性と、「明るくきれいな肌を保ちたい」という美意識の両方から成り立っています。

美容が特別なことではなく「日常のメンテナンス」になっている

現在のタイでは、美容への支出自体が大きな市場になっています。

2026年の報道では、タイの美容産業全体は4,000億バーツを超える規模とされ、スキンケア市場だけでも約1,099億バーツ。2025年にはスキンケア市場が前年比9.4%成長したと報告されています。

美容は結婚式や特別な日のためだけのものではありません。

・スキンケア
・メイク
・美容クリニック
・美容院
・ネイル
・脱毛
・香水

まで、日常生活の中に入っています。

カラーメイク市場も拡大しています。

KOTRAがEuromonitorのデータをもとにまとめた資料では、タイのカラーメイク市場は2023年の約270.9億バーツから、2024年には約324.4億バーツへ成長しました。

2025年は約373.8億バーツまで拡大すると予測されていました。

【美容クリニック】モールを歩くと何軒も見つかる

タイ美容を日本と比較したとき、特に違いを感じやすいのが美容クリニックとの距離です。

バンコクでは美容クリニックが特別な場所に集まっているだけではありません。

大型ショッピングモール。

BTS駅の周辺。

オフィス街。

住宅エリア。

こうした日常の生活圏に入っています。

モールの同じフロアに美容クリニックが何軒も並んでいることもあります。

提供される施術も、大掛かりな整形だけではありません。

・シミや色素へのレーザー
・肌管理
・ニキビ治療
・毛穴や肌質への施術
・ボトックス
・フィラー
・脱毛
・リフトアップ系施術

など、定期的な美容メンテナンスに近いものが多くあります。

カシコンリサーチセンターによると、タイの美容整形・美容医療市場は2025年に約752億バーツ規模。

市場価値の約85%をクリニックが占めています。

顧客も女性だけではなく、Gen Z、男性、LGBTQIA+などへ広がっています。

バンコクでは美容クリニックが「大きな決断をして行く場所」だけではなく、スキンケアの延長で利用する場所になりつつあります。

ただし美容医療は医療行為です。

タイ政府も2026年に美容クリニックの広告や医師資格表示への監督を強化しています。

料金やSNSの口コミだけではなく、

・正規の医療機関か
・実際に施術する人は誰か
・医師資格を確認できるか
・使用する薬剤や製品は何か

を確認することが重要です。

【K-Beauty】韓国の影響は美容だけではない

現在のタイで韓国の影響は非常に大きいものがあります。

KOTRAによると、2024年のタイの化粧品輸入市場では韓国が19.02%を占め、国別で1位でした。

フランス、日本、米国を上回っています。

タイで韓国美容が強い理由は、化粧品だけを輸入しているからではありません。

K-Pop。

韓国ドラマ。

俳優。

アイドル。

美容インフルエンサー。

ファッション。

これらが一緒に入ってきます。

「韓国コスメを買う」だけではなく、

・アイドルのようなメイクにする
・韓国風のレイヤーヘアにする
・SNSで韓国のメイク方法を見る
・韓国ブランドの服を着る

という一つのライフスタイルになっています。

タイのカラーメイク市場規模単位は10億バーツ。2025年は予測値。
2023年
27.09
2024年
32.44
2025年
37.38
2023年2023年27.092023年: 27.092024年2024年32.442024年: 32.442025年2025年37.382025年: 37.38
出典:Euromonitor / KOTRA Bangkok
タイの化粧品輸入 国別シェア2024年。HSコード3304.99。単位は%。
韓国
19.02
フランス
17.04
日本
12.04
米国
10.43
中国
7.72
インドネシア
7.12
出典:Global Trade Atlas / KOTRA Bangkok

でも今はタイ発の「T-Beauty」も伸びている

タイは韓国美容を受け入れるだけの市場ではありません。

自国の化粧品や美容サービスを海外へ展開するT-Beautyも成長しています。

タイ政府も美容クリニック、化粧品、ハーブ、美容サービスなどをタイ発の美容産業として海外へ売り出す動きを進めています。

タイの商品には、タイならではの強みがあります。

一年中暑い。

湿度が高い。

汗をかきやすい。

さまざまな肌色の人がいる。

そのため、

・軽いテクスチャー
・高温多湿でも使いやすい
・汗や皮脂に対応する
・東南アジアの肌色に合わせる
・手の届きやすい価格

といった商品が生まれます。

2026年のタイは、K-Beautyを追いかけるだけではなく、海外トレンドをタイの気候や生活へ翻訳し、自分たちのT-Beautyを作る段階へ進んでいます。

美容は顔だけではない。ネイル・髪・香りまでが一つのスタイル

タイの美容文化を理解するとき、顔だけを見るのも十分ではありません。

今の若者にとって、

メイク。

髪。

ネイル。

香り。

服。

アクセサリー。

は、一つにつながっています。

【ネイル】小さな部分ほど自由に遊ぶ

タイではネイルサロンが非常に身近です。

大型モールだけではなく、住宅街や美容院、個人サロンにもあります。

デザインも、

・透明感のあるジェル
・メタリック
・立体パーツ
・左右で異なるデザイン
・鮮やかな色
・ファンダムやイベントに合わせたネイル

まで幅広くなっています。

女性だけに限らず、男性がネイルをファッションとして楽しむ例も見られます。

【髪】韓国風をタイの気候へ合わせる

髪にも韓国の影響があります。

顔まわりにレイヤーを入れる。

自然な動きを出す。

軽いパーマ。

柔らかいシルエット。

といった韓国系のスタイルはバンコクでも人気があります。

しかし、タイでは湿度と暑さがあります。

そのため「写真ではきれいだけれど毎日セットできない髪」よりも、

・軽い
・まとまりやすい
・暑苦しく見えない
・自然に動く

という実用性も重要です。

【香水】暑い国だからこそ「良い香り」に敏感

香りもタイでは面白い美容文化です。

Mintelの調査では、タイ人の73%が1日に複数回シャワーを浴びると回答しています。

暑い気候の中で、清潔感や良い香りへの意識が高いことが背景にあります。

一方、若い世代が全員高級ブランドの香水を求めているわけではありません。

同調査ではGen Zの67%が、高級香水に大きなお金を払うことについて否定的な考えを示しました。

そのため、

・小容量
・手頃な価格
・ニッチフレグランス
・ローカルブランド
・服や気分によって香りを変える

といった楽しみ方も広がっています。

香水も「高級品を持っていること」だけではなく、自分らしさを表すアイテムになっています。

ファッションも「韓国風」だけでは説明できない

美容と同じように、タイの若者ファッションにも韓国の影響があります。

しかし、バンコクを歩けば一つのスタイルに統一されていないことが分かります。

エリアよく見られるスタイル
サイアムオーバーサイズTシャツ、ルーズデニム、カーゴ、スニーカー
バンスー古着、ヴィンテージ、スポーツ、Y2K
エカマイニュートラルカラー、ミニマル、きれいめ
アーリークロシェ、ハンドメイド、小さなローカルブランド
ヤワラート周辺中国系文化、ヴィンテージ、ストリートのミックス

サイアムはバンコク中心部の若者文化を最も見つけやすい場所の一つです。

一方、エカマイはスクンビット東側の住宅・カフェエリアで、より落ち着いたスタイル。

アーリーは中心部から北側にあるカフェや小さなショップが多いエリアで、インディーな雰囲気があります。

街が変われば、着ている服も少し変わります。

「タイの若者はこういう服を着る」という一つの答えはありません。バンコクでは、どのコミュニティにいるかが服装にも表れます。

ブランド志向は強い。でも「ブランドだけ」が重要ではない

タイではラグジュアリーブランドへの関心も高いものがあります。

バンコク中心部には世界的なブランドの旗艦店が集まり、タイの俳優やアーティストが国際ブランドのアンバサダーになるケースも増えています。

K-Popだけではなく、T-PopやBL・GL俳優のファンダムもファッションブランドとの結び付きを強めています。

しかし若い世代のスタイルは、

「全身ハイブランド」

だけではありません。

・高級ブランドのバッグ
・タイのローカルブランド
・古着
・スニーカー
・ハンドメイドアクセサリー

を一緒に合わせることもあります。

何を買ったか以上に「どう組み合わせたか」が重要になるのです。

伝統的なタイらしさも、若者が再び使い始めている

もう一つ興味深いのが、タイらしい要素の再評価です。

グローバル化すれば、すべて韓国風や欧米風になるわけではありません。

伝統的な布。

タイらしい柄。

花飾り。

手仕事のアクセサリー。

こうした要素をデニムや現代服と組み合わせる若者もいます。

そのまま民族衣装を着るのではなく、一部だけを現代ファッションへ取り入れる感覚です。

つまり現在のタイファッションは、

海外トレンドをコピーする

のではなく、

海外の流行、タイの気候、ローカル文化、自分の好みを編集する

方向へ進んでいます。

そして、すべてをつないでいるのがSNS

色白への価値観。

日焼け対策。

韓国コスメ。

美容クリニック。

髪。

ネイル。

香水。

ファッション。

一見すると別々の話に見えます。

しかし現在は、すべてがTikTokやInstagramを通じてつながっています。

2026年のタイGen Z調査では、購入前にTikTokなどの動画レビューを見る人が66.9%。

Google検索を利用する人の21.9%を大きく上回りました。

美容なら、

TikTokで新しい施術を知る。

クリニックの症例動画を見る。

コメントを確認する。

Instagramで医師やクリニックを探す。

施術を受ける。

自分もSNSへ投稿する。

という流れが生まれます。

ファッションも同じです。

好きな俳優の服。

K-Popアイドルの髪型。

インフルエンサーのネイル。

ファンイベントで着る服。

ライブに合わせるメイク。

前の記事で紹介したT-Pop、K-Pop、BL・GL、推し活の文化が、ここで美容やファッションとつながります。

2026年のタイ美容は「白くする」だけの文化ではない

タイの美容について考えるとき、「色白を好む」という特徴は避けて通れません。

それほど長く、強く残ってきた美意識です。

ただし、それだけで2026年のタイを説明することもできません。

現在は、

「肌を白くしたい」

だけではなく、

「シミをなくしたい」

「肌を均一にしたい」

「ツヤのある肌にしたい」

「自分に似合う髪型にしたい」

「好きなネイルを楽しみたい」

「香りまで含めて自分らしく見せたい」

という価値観へ広がっています。

美容の対象も女性だけではありません。

男性。

LGBTQIA+。

若者。

中高年。

それぞれが異なる形で美容を利用しています。

タイの美容・ファッションを理解する鍵は、「タイ人は何が流行っているか」を覚えることではなく、「何を美しいと考えてきたのか、それが今どう変化しているのか」を見ることです。

歴史的な色白への憧れ。

熱帯の強い日差し。

韓国から来る新しい美意識。

成長するT-Beauty。

街中にある美容クリニック。

SNSで毎日更新されるトレンド。

そのすべてが重なったところに、2026年のタイの美容とファッションがあります。

バンコクのショッピングモールに並ぶ美容クリニック
バンコクでは美容クリニックが大型モールや駅周辺の日常的な商業空間に数多くあります。
バンコクの美容サロンでネイルを楽しむタイの若い女性
ネイル、髪、香りまで含めて自分らしいスタイルを作るのが、現在のタイの美容文化です。

よくある質問

なぜタイでは白い肌が美しいとされるのですか?

背景の一つに、明るい肌が屋外労働をしない上流階級や裕福な生活と結び付けられてきた歴史があります。その後、欧米や東アジアの広告・芸能文化の影響も重なりました。ただし現在は価値観も多様化し、「白さ」だけでなく透明感、均一な肌色、ツヤ、肌の健康を重視する人も増えています。

タイ人は日焼けを嫌いますか?

日焼けを避ける人は多く、日焼け止め、日傘、帽子、長袖などが日常的に使われます。明るい肌を好む文化的な美意識だけでなく、強い紫外線によるシミや肌老化を防ぐというスキンケア上の理由もあります。ただし、全員が同じ美意識を持っているわけではありません。

タイでは美容クリニックは本当に身近ですか?

特にバンコクでは非常に身近です。大型ショッピングモールやBTS駅周辺にも多く、レーザー、肌管理、脱毛、ボトックス、フィラーなどが提供されています。美容医療は医療行為を含むため、正規の医療機関か、施術者の資格や使用する製品を確認することが重要です。

タイでは韓国コスメや韓国風メイクが人気ですか?

はい。2024年のタイの化粧品輸入では韓国が最大の供給国となりました。K-Popや韓国ドラマの影響も大きく、コスメだけではなく、メイク、髪型、ファッションまで韓国トレンドの影響が見られます。一方で、タイの気候や肌に合わせたT-Beautyも成長しています。

バンコクで若者の美容やファッションを見るならどこがおすすめですか?

サイアムは最も分かりやすいエリアの一つです。若者向けファッション、コスメ、美容クリニック、カフェが集まり、現在のトレンドを一度に見ることができます。エカマイではミニマル、アーリーではインディー、バンスーでは古着やヴィンテージなど、エリアによる違いもあります。

出典・参考資料