GUIDE · タイ
【2026年版】タイ南部料理完全ガイド|激辛カレー・海鮮・マレー文化・プーケット料理まで名物10選
南部料理を一口食べると、「同じタイ料理でもこんなに違うのか」と驚くかもしれません。唐辛子の辛さだけでなく、ターメリックの香り、カピの強い旨味、ココナッツ、サトー、発酵した魚介、そしてアンダマン海とタイ湾の新鮮な魚。さらにプーケットでは中国系・プラナカン料理、ソンクラーより南ではマレー・イスラム文化が加わります。南部料理は、タイの中でも特に「海と交易の歴史」が味になって残っている地域料理です。
更新日:2026年10月8日

タイ南部料理は、なぜこんなに辛くて香りが強い?
タイ南部は、細長いマレー半島に沿って広がる地域です。
西側にはアンダマン海。
東側にはタイ湾。
南へ行けばマレーシアへつながります。
現在のタイ南部には14県あり、海、熱帯雨林、ココナッツ農園、漁業地域、イスラム文化圏、中国系移民の街など、非常に異なる環境が共存しています。
料理にも、その地理がそのまま表れています。
| 南部料理の特徴 | 具体的には |
|---|---|
| 辛さ | タイの地域料理の中でも特に強い |
| 酸味 | タマリンドなどを使った鋭い酸味 |
| 色・香り | ターメリックを多用し黄色系の料理が多い |
| 旨味 | カピ=発酵エビペーストを多用 |
| 海産物 | 魚、エビ、カニ、イカなどが豊富 |
| ココナッツ | カレーや煮込み、菓子などに使用 |
| 野菜 | 辛い料理と大量の生野菜を一緒に食べる |
| 地域差 | タイ系、マレー・イスラム系、中国系・プラナカン系が混在 |
Thailand Foundationは、南部料理について「強い香りと辛味」を特徴として挙げています。
TATも、南部料理は中央タイより辛さと酸味が強く、魚介、レモングラス、こぶみかんの葉などを多く使うと説明しています。
南部料理は、タイ4地域の中でも特に「辛い・酸っぱい・香りが強い」料理が多い地域です。
ルーツは「海」。南部は昔から国際交易の通り道だった
南部料理が他地域と大きく違う理由は、辛さだけではありません。
タイ南部は、インド洋と南シナ海を結ぶ海上交易の要衝でした。
船は、
・中国
・インド
・マレー半島
・インドネシア諸島
などを行き来しました。
人だけでなく、
・スパイス
・調理方法
・宗教
・食材
も移動しました。
Thailand Foundationは、南部料理に中国、インド、海洋東南アジアの影響が残っていると説明しています。
タイ南部料理は、タイ国内だけで完成した料理ではなく、何百年もの海上交易によって作られてきた食文化です。
南部料理には3つの大きな文化が重なっている
分かりやすく整理すると、南部料理には大きく3つの文化層があります。
| 文化 | 強く見える地域 | 料理への影響 |
|---|---|---|
| 南部タイ系 | ナコンシータマラート、スラタニ、チュムポーンなど | クアクリン、ゲーンソム、ゲーンタイプラー、カピ |
| マレー・イスラム系 | ソンクラー、パッタニー、ヤラー、ナラティワート、サトゥーンなど | カオヤム、カオモックガイ、ロティ、スパイス料理 |
| 中国系・プラナカン | プーケットなど | ムーホン、福建系麺、煮込み、菓子 |
もちろん、県境で料理が突然変わるわけではありません。
これらの文化が混ざりながら南部全体の料理を形作っています。
【ターメリック】なぜ南部料理は黄色い?
南部の魚料理やカレーを見ると、黄色やオレンジ色が非常に目立ちます。
その中心にあるのがターメリック。
タイ語ではカミンです。
Southern Thai curry pasteでは、
唐辛子、レモングラス、ニンニク、エシャロットなどと一緒に生のターメリックを使うことがあります。
魚を揚げるときにも使われます。
南部料理の黄色は「カレー粉の色」とは限らず、生のターメリックが作る色でもあります。
【カピ】エビの発酵ペーストが料理に深い旨味を加える
南部料理でもう一つ重要なのがカピです。
小エビなどを塩漬け・発酵させたペースト。
香りはかなり強いですが、料理に入ると深い塩味と旨味になります。
サトー炒め。
ナムプリック。
カレーペースト。
さまざまな料理に使われます。
魚を発酵させるイサーンのプラーラーとは別の発酵文化です。
【サトー】南部の「臭い豆」
南部料理店へ行くと、独特の大きな緑色の豆が出てきます。
サトーです。
英語ではStink BeanやPetai。
マレーシア、インドネシアでも食べられます。
生でも食べますが、南部タイではカピとエビや豚肉を合わせて炒める料理が有名です。
香りはかなり個性的。
一度好きになると、この香り自体が魅力になります。
南部名物10選|最初に全体を見てみよう
2026年10月8日時点の参考レート、
1バーツ=約4.70円
で円換算しています。
| 料理 | 特徴 | 辛さ目安 | ローカル価格の目安 |
|---|---|---|---|
| クアクリン | 水分の少ない激辛ドライカレー | ★★★★★ | 60〜120B |
| ゲーンタイプラー | 発酵した魚の内臓を使う濃厚カレー | ★★★★★ | 60〜120B |
| ゲーンソム/ゲーンルアン | 辛酸っぱい黄色い魚カレー | ★★★★★ | 80〜180B |
| サトーパッカピクン | サトーとエビのカピ炒め | ★★★☆☆ | 120〜250B |
| ムーホン | プーケット式豚バラ煮込み | ★☆☆☆☆ | 120〜300B |
| ナムプリッククンシアップ | 干しエビ入り唐辛子ディップ | ★★★★☆ | 80〜180B |
| ゲーンプーバイチャプルー | カニとバイチャプルーの濃厚カレー | ★★★☆☆ | 250〜500B |
| カオヤム | ハーブたっぷりのライスサラダ | ★★☆☆☆ | 50〜100B |
| ガイトートハジャイ | ハジャイ式フライドチキン | ★☆☆☆☆ | 20〜60B/部位 |
| カオモックガイ | スパイス香るタイ式チキンビリヤニ | ★☆☆☆☆ | 50〜100B |
観光地やプーケットの中高級店では、この価格より高くなります。
1.【クアクリン】水分ゼロに近い、南部の激辛ドライカレー
南部料理を一品で説明するなら、クアクリンはかなり分かりやすい料理です。
「カレー」と聞いてスープ状を想像すると違います。
豚ひき肉などを、南部式カレーペーストと一緒に水分が飛ぶまで炒めます。
主な食材:豚ひき肉または牛肉、唐辛子、ターメリック、レモングラス、こぶみかんの葉、カピなど
味は?
非常に辛いです。
甘味はほとんど前に出ません。
唐辛子。
ターメリック。
レモングラス。
こぶみかん。
肉の脂。
が一気に来ます。
MICHELIN Guideも、南部料理を代表する非常に辛い料理としてクアクリンを紹介しています。
クアクリンは、タイ人でも「辛い」と感じることがある南部料理の代表格です。

価格目安
・南部の食堂:60〜120B/約280〜560円
・一般レストラン:180〜300B前後/約850〜1,410円
バンコクのKhua Kling Pak Sodでは、豚ひき肉のクアクリンが280Bです。
【食べるなら】Khua Kling Pak Sod
チュムポーン出身の家庭レシピを受け継ぐ南部料理店。
バンコクで南部料理をまとめて試すのにも便利です。
2.【ゲーンタイプラー】魚の内臓を発酵させた、南部屈指の強烈な味
ゲーンタイプラーは、初めて食べる日本人にはかなりインパクトがあります。
「タイプラー」は魚の内臓を塩漬け・発酵させたもの。
これをカレーの旨味と塩味に使います。
一般的には魚の身と、
・ナス
・竹の子
・長豆
・カボチャ
などを加えます。
味は?
非常に辛い。
塩味が強い。
発酵の旨味が強い。
香りも強い。
グリーンカレーのような甘くクリーミーな味とは真逆に近い料理です。
Thailand Foundationも、ゲーンタイプラーを南部を代表する料理として挙げています。
価格目安
・ローカル店:60〜120B/約280〜560円
・レストラン:150〜300B前後/約700〜1,410円
【食べるなら】Naam Yoi
プーケットのローカル客にも人気の南部料理店。
MICHELIN Guideは、非常に香りが強く本格的な南部カレーを特徴として紹介しています。
MICHELIN 2026:Bib Gourmand
3.【ゲーンソム/ゲーンルアン】南部版は黄色くて、かなり辛い
「ゲーンソム」は中央タイにもあります。
ただし南部では「ゲーンルアン=黄色いカレー」と呼ばれるタイプがよく見られます。
ターメリックを入れるため鮮やかな黄色。
魚やエビと、
・若いココナッツ
・パパイヤ
・竹の子
・野菜
などを煮込みます。
ココナッツミルクは基本的に使いません。
味は、
辛い。
酸っぱい。
そして魚介の旨味。
MICHELIN GuideもSouthern Sour Curryを南部の代表料理として繰り返し紹介しています。
価格目安
・ローカル店:80〜180B/約380〜850円
・一般レストラン:200〜350B/約940〜1,650円
【食べるなら】Naam Yoi
魚のゲーンソムも人気メニューの一つ。
辛さを調整できる場合があるため、辛いものが苦手なら注文時に相談した方が安心です。
4.【サトーパッカピクン】臭い豆+エビ+発酵エビペースト
南部らしい食材を一皿に集めた料理です。
サトー。
カピ。
エビ。
この3つを唐辛子やニンニクと一緒に炒めます。
主な食材:サトー、エビ、カピ、唐辛子、ニンニク
味は?
サトーの青い香り。
カピの発酵香。
エビの甘味。
唐辛子の辛さ。
初めて食べると香りに驚くかもしれません。
MICHELIN Guideも、Southern Thai cuisineを代表する料理としてSataw Pad Kapi Goongを紹介しています。
価格目安
・ローカル店:120〜250B/約560〜1,170円
・中級レストラン:220〜450B前後/約1,030〜2,120円
【食べるなら】One Chun
プーケット旧市街の有名店。
南部料理・プーケット料理を幅広く食べられます。
MICHELIN 2026:Bib Gourmand
5.【ムーホン】激辛南部料理の中で異彩を放つ、プーケット式豚煮込み
ここまで辛い料理ばかりでした。
でも南部料理すべてが辛いわけではありません。
ムーホンは豚バラ肉を柔らかく煮込むプーケット料理です。
主な食材:豚バラ、醤油系調味料、ニンニク、黒胡椒、砂糖
ルーツは中国系・プラナカン文化
プーケットは錫鉱山と海上交易で発展し、多くの中国系移民が暮らしました。
その食文化が地元のタイ料理と混ざったものが、現在のプーケット料理です。
MICHELIN GuideもOne Chunを、世代を超えて受け継がれるプーケットのローカル・プラナカン料理店として紹介しています。
ムーホンを食べると、プーケットが「タイの島」だけでなく、中国系移民と交易で発展した港町だったことが見えてきます。
味は?
甘辛い。
黒胡椒が香る。
豚バラは非常に柔らかい。
辛さはほぼありません。
辛い南部料理の中で休憩になる一皿です。
価格目安
ローカル・一般店:120〜300B程度
One Chunでは2026年の掲載メニューで265Bの例があります。
【食べるなら】One Chun
MICHELIN 2026:Bib Gourmand
6.【ナムプリッククンシアップ】干しエビ入りの辛いディップ
「クンシアップ」は、南部で作られる乾燥・燻製したエビです。
これを使ったナムプリックはプーケットでも有名です。
唐辛子。
カピ。
ライム。
干しエビ。
などを合わせます。
そして重要なのが野菜です。
きゅうり。
ナス。
長豆。
葉物野菜。
などを大量に添えて食べます。
価格目安
ローカル店:80〜150B程度
レストラン:150〜250B程度
【食べるなら】One Chun
ナムプリッククンシアップはプーケット料理を知るうえで外せない一品です。
7.【ゲーンプーバイチャプルー】プーケットで食べたい濃厚カニカレー
カニ肉をたっぷり使い、バイチャプルーと呼ばれる葉を加える濃厚なカレーです。
カノムチーンと呼ばれる米麺と一緒に食べることも多い料理です。
主な食材:カニ肉、ココナッツミルク、南部式カレーペースト、バイチャプルー
味は?
濃厚。
カニの甘味。
ハーブの香り。
そしてしっかり辛い。
プーケットではムーホンと並んで人気の料理です。
価格目安
魚介なので高めです。
一般店:250〜500B程度
One Chunでは、カニカレーと麺のメニューが約390Bの例があります。
【食べるなら】One Chun
MICHELIN Guideも、新鮮なカニ肉を使う黄色いカレーをこの店の代表料理として紹介しています。
8.【カオヤム】ハーブを食べる、南部マレー系ライスサラダ
カオヤムは見た目が非常に華やかな料理です。
ご飯の周りに、
・レモングラス
・こぶみかんの葉
・もやし
・長豆
・ココナッツ
・ハーブ
・野菜
などを細かく刻んで並べます。
そこへ「ブドゥー」と呼ばれる発酵魚のソースをかけて混ぜます。
マレー文化との共通性
カオヤムは、マレー半島の米料理と非常に深い関係があります。
タイ最南部からマレーシア北部にかけて、似たスタイルのハーブライスがあります。
色の付いた米を使う地域もあります。
カオヤムは「タイ料理とマレー料理をどちらか一方に分ける」ことが難しい、国境を越えた南部の食文化を象徴する料理です。

価格目安
ローカル食堂・市場:50〜100B程度、約240〜470円
9.【ガイトートハジャイ】フライドチキンなのに「ハジャイ」がブランドになった
ソンクラー県ハジャイを代表する料理です。
鶏肉に南部系のスパイスや調味料で下味を付け、カリッと揚げます。
最大の特徴は、上にたっぷりかける揚げエシャロット。
もち米と一緒に食べるのも定番です。
味は?
外はカリカリ。
中はジューシー。
香ばしいエシャロットが加わります。
辛い料理ではないので、南部料理初心者にもおすすめです。
価格目安
屋台では1部位20〜60B程度、約90〜280円。
【食べるなら】Decha Fried Chicken
ハジャイで長く知られるフライドチキン店の一つです。
10.【カオモックガイ】タイ南部のイスラム文化を感じるチキンライス
カオモックガイは、一言で表すならタイ式チキンビリヤニです。
鶏肉と米を、
・ターメリック
・カルダモン
・シナモン
・クミン
・その他のスパイス
と一緒に炊きます。
イスラム文化の強い南部では非常に身近な料理です。
インド・マレー・イスラム文化が重なった料理
カオモックガイのルーツは、南アジアのビリヤニ文化につながります。
それがマレー半島やムスリム商人の交易を通じてタイへ入り、現在のタイ式へ変化しました。
南部料理の歴史を非常に分かりやすく示す一皿です。
価格目安
ローカル・ハラール食堂:50〜100B程度、約240〜470円
南部へ行くほど、イスラム料理の存在感が大きくなる
ソンクラーからさらに南へ進むと、
パッタニー。
ヤラー。
ナラティワート。
サトゥーン。
などではイスラム教徒の割合が高くなります。
料理にも変化が表れます。
| 料理・食文化 | 特徴 |
|---|---|
| カオヤム | ハーブライス+ブドゥー |
| カオモックガイ | スパイス炊き込みご飯 |
| ロティ | カレーや甘味と一緒に食べる |
| マッサマン | 乾燥スパイスを使う濃厚カレー |
| 牛・鶏料理 | 豚を使わないハラール料理が多い |
料理だけを見ると「タイ料理」と「マレーシア料理」の境界が非常に曖昧になります。
それは食文化の方が現在の国境より古いからです。
【プーケット料理】南部料理+中国系プラナカン文化
南部の中でも、プーケットは特に独特です。
かつて錫鉱山で栄えたプーケットには、多くの福建系中国人が移住しました。
その人々の料理と南部の食材が混ざり、現在のプーケット料理が作られました。
代表的なのが、
・ムーホン
・福建系麺料理
・ローバ
・アーポン
などです。
2026年のMICHELIN Guideでは、プーケットのBib Gourmandだけでも19店あり、そのうち南部料理店が多数を占めています。
One Chun、Naam Yoi、Krua Kao Kuk、Mor Mu Dongなどがその代表です。
南部料理は「魚介が多い」だけではない
プーケット、クラビ、パンガー、スラタニ、チュムポーンなど海に近い地域では魚介が豊富です。
でも南部料理の特徴は、「新鮮な魚介を焼くだけ」ではありません。
魚介を、
・ターメリックで揚げる
・カレーにする
・カピと炒める
・発酵させる
・干す
など、さまざまな方法で食べます。
海が近いからこそ、食材だけでなく魚介の加工方法も発達しました。
辛い料理には、なぜ大量の生野菜が付いてくる?
本格的な南部料理店へ行くと、頼んでいないのに大量の野菜が出てくることがあります。
きゅうり。
キャベツ。
長豆。
ナス。
ハーブ。
地域の葉野菜。
これは飾りではありません。
強い辛さと塩味を和らげる役割があります。
クアクリンを一口。
ご飯。
生野菜。
またクアクリン。
この順番なら、かなり辛い料理も食べやすくなります。
南部料理は「辛さを我慢して食べる料理」ではなく、ご飯と生野菜を組み合わせて辛さを調整しながら食べる料理です。
初めて南部料理店へ行くなら、この組み合わせがおすすめ
辛いものが苦手な2人
・ムーホン
・バイリアンパッカイ
・ガイトート
・ご飯
南部料理らしさを体験したい2〜3人
・クアクリン
・ゲーンソム
・サトーパッカピクン
・バイリアンパッカイ
・ご飯
プーケット料理を楽しみたい3〜4人
・ムーホン
・ゲーンプーバイチャプルー
・ナムプリッククンシアップ
・サトー炒め
・魚料理
マレー系南部料理を体験したい
・カオヤム
・カオモックガイ
・ロティ
・牛または鶏のカレー
辛い料理を2品以上注文するとかなり大変なので、初めてなら辛くない料理も必ず混ぜるのがおすすめです。
【バイリアンパッカイ】辛い南部料理の合間に頼みたい野菜炒め
TOP10には入れませんでしたが、南部料理店で非常に便利な料理があります。
バイリアンパッカイ。
バイリアンという南部で食べられる葉野菜を卵と炒めたものです。
辛くありません。
野菜の少し青い香りと卵のまろやかさがあります。
クアクリン。
ゲーンタイプラー。
ゲーンソム。
など、激辛料理の間に食べるとほっとします。
南部料理店で何を頼めばいいか分からない場合は、一皿入れておくと食卓のバランスがかなり良くなります。
バンコクでも本格的な南部料理は食べられる
南部まで行かなくても、バンコクには南部出身者が経営する店があります。
【Khua Kling Pak Sod】
チュムポーンの家庭料理をルーツにする南部料理店。
クアクリン、サトー、ゲーンルアン、カニ料理などをまとめて試せます。
【Janhom】
スラタニ出身の料理人による、ローカル寄りの南部料理。
2026年のMICHELIN Guide掲載店です。
【Sorn】
南部料理をファインダイニングとして世界的なレベルへ引き上げたレストランです。
ローカル食堂とはまったく違いますが、南部の地域食材、魚介、スパイス文化を現代的に表現しています。
2026年のMICHELINを見ると、南部料理が「地方料理」ではないことが分かる
2026年のMICHELIN Guide Thailandでは、南部料理カテゴリーだけで全国40店以上が掲載されています。
プーケットだけでも、Bib Gourmandには多くの南部料理店があります。
代表的なのは、
・One Chun
・Naam Yoi
・Krua Kao Kuk
・Ton Mayom
・Mor Mu Dong
・Krua Praya
などです。
サムイ島にもJun Homなど南部料理のBib Gourmand店があります。
つまり、南部料理は「辛い地方の家庭料理」というだけではありません。
ローカル食堂から世界的なファインダイニングまで、非常に幅の広い料理文化になっています。
南部料理は一つではない。県によってかなり違う
「南部料理」と一括りにしていますが、南部は非常に細長い地域です。
場所によって文化が変わります。
| 地域 | 特徴 |
|---|---|
| チュムポーン・スラタニ | 強い南部カレー、魚介、ココナッツ |
| ナコンシータマラート・パッタルン | 辛いカレー、発酵、伝統南部料理 |
| プーケット・パンガー | 南部料理+中国系・プラナカン文化 |
| クラビ・トラン | 海産物、南部カレー、ムスリム料理も多い |
| ソンクラー・ハジャイ | 南部タイ、中国系、マレー・イスラム文化が混在 |
| パッタニー・ヤラー・ナラティワート | マレー系イスラム料理の影響が非常に強い |
| サトゥーン | マレーシア北部との文化的共通性が強い |
同じ南部でも、
プーケットのムーホンと、
ナコンシータマラートのクアクリンと、
パッタニーのカオヤムでは、
全く違う料理文化です。
南部料理を知ると、「タイ料理=甘辛い」というイメージが変わる
外国人向けタイ料理では、
甘い。
ココナッツ。
マイルド。
という印象を持つ料理も多くあります。
南部料理はかなり違います。
甘さを抑える。
唐辛子を増やす。
ターメリックを使う。
カピを使う。
魚介を使う。
発酵させる。
酸味を強くする。
そこへ、
マレー。
インド。
中国。
海洋東南アジア。
の文化が重なります。
南部料理は、タイという国が昔からインド洋・中国・マレー世界とつながっていたことを、最も分かりやすく味で残している地域料理の一つです。
プーケットでムーホンを食べる。
ハジャイでフライドチキンやカオモックガイを食べる。
南部料理店でクアクリンを生野菜と食べる。
カオヤムにブドゥーをかける。
料理を知ると、同じタイ南部旅行でも街の見え方がかなり変わります。
よくある質問
タイ南部料理は本当に他の地域より辛いですか?
一般的には非常に辛い料理が多い地域です。クアクリン、ゲーンタイプラー、南部式ゲーンソムなどは、タイ人でも辛いと感じることがあります。ただしムーホン、バイリアンパッカイ、ガイトートハジャイ、カオモックガイなど辛くない料理もあります。
南部料理が黄色いのはなぜですか?
生のターメリックをカレーペーストや魚料理に多く使うためです。南部料理ではターメリックが非常に重要な食材で、黄色やオレンジ色は南部料理を視覚的に特徴付ける色でもあります。
プーケット料理と一般的な南部料理は違いますか?
重なる部分も多いですが、プーケットには福建系中国人やプラナカン文化の影響が強くあります。ムーホン、福建系麺料理、ローバ、アーポンなど、中国系の食文化と南部タイの食材が融合した独特の料理があります。
辛いものが苦手でも南部料理を楽しめますか?
楽しめます。ムーホン、ガイトートハジャイ、カオモックガイ、バイリアンパッカイなどは比較的辛くありません。本格的な南部料理店では、生野菜やご飯も一緒に頼み、激辛料理を1品だけ混ぜると食べやすくなります。
カオヤムはどんな料理ですか?
ご飯に細かく刻んだハーブ、野菜、炒ったココナッツなどを混ぜ、ブドゥーと呼ばれる発酵魚ソースをかける南部料理です。マレー半島の食文化とのつながりが強く、最南部を代表する料理の一つです。
バンコクで本格的な南部料理は食べられますか?
食べられます。Khua Kling Pak Sod、Janhomなど南部出身者の料理を楽しめる店があります。さらにSornのように南部料理をファインダイニングとして表現する店もあり、バンコクでもローカルから高級店まで幅広く体験できます。
出典・参考資料
- Thailand Foundation|Southern Thai Cuisine
- Thailand Foundation|Secrets to Thai Cooking
- TAT Newsroom|Discover Thai Cuisine through its famous four regions
- MICHELIN Guide|5 Must-Know Dishes in Southern Thai Cuisine
- MICHELIN Guide|9 Must-Try Southern Thai Dishes
- MICHELIN Guide|Southern Thai Restaurants Thailand 2026
- MICHELIN Guide|Phuket Bib Gourmand Restaurants 2026
- MICHELIN Guide|One Chun
- MICHELIN Guide|Naam Yoi
- MICHELIN Guide|Ko Samui Bib Gourmand 2026
- MICHELIN Guide|Hidden Gems: Southern Thai Food in Bangkok
- Khua Kling Pak Sod|Official Menu
- Wongnai|One Chun Menu
- Wongnai|Khua Kling Pak Sod Menu
